DIVERSITY & INCLUSION
誰の手にも、
誰の母語でも。
「平均的なユーザー」は存在しません。手の大きさも、母語も、目の使い方も、 使っている端末も、一人ひとり違います。つくぷらはその違いを後づけの対応ではなく、 UI・UXの設計段階からの前提として組み込んでいます。このページでは、多様性・多文化共生への配慮と、 環境への配慮を、アプリの実際の設計に沿って説明します。
どんな手にも届く
タップ領域は44pt以上を部品レベルで保証。主要ボタンは高さ56の大型ピルで、操作は親指の圏内に集約しています。
母語で使える
日本語・English・中文(简体)・한국어の4言語対応。アプリ内の829文言すべてを4言語ぶん翻訳しています。
環境にやさしい
キャッシュとオンデバイス処理で通信・電力を節約し、紙のコピーと端末の買い替えを減らす設計です。
ONE-HAND ERGONOMICS
小さな手にも、ふさがった手にも。
スマホの画面は年々大きくなるのに、手の大きさは人それぞれ。性別や体格によっても大きく違います。 つくぷらは、手の小さな人が片手で持っても親指1本で使い切れることを、 個々の画面の工夫ではなくデザインシステム全体のルールとして保証しています。
「小さすぎるボタン」は、設計段階で禁止。
押しやすさを実装者の善意に任せず、部品とテーマの両方でルール化しています。
- アイコンボタンは44×44pt以上のタップ領域を標準部品が構造的に保証。見た目が小さなアイコンでも、押せる範囲はそれより広く確保されます
- テーマ全体でボタンの最小サイズを64×48に強制。個別画面の実装ミスからも「小さすぎるボタン」が生まれない仕組みです
- 画面の主要ボタンは横幅いっぱい・高さ56の大型ピル。指の太さ・爪の長さを問わず、狙わずに押せます
- 操作の結果は振動でも返答。成功・警告・失敗で触覚パターンを変え、取り消せない操作は一段重い感触にしています(設定でオフにもできます)
図1: 押しやすさは実装値で保証。44pt未満のタップ領域は部品として作れません
大事な操作は、ぜんぶ親指の圏内に。
画面上部の遠いメニューへ指を伸ばす操作を、日常動線の前提にしていません。
- よく使う5機能(ホーム・時間割・アプリ・課題・記録)は画面下端のボトムバーに集約。片手持ちの親指がそのまま届きます
- 中央の「アプリ」ボタンを押すと全12機能へ画面下部のシートから到達可能。持ち替えなしで全機能にアクセスできます
- ボトムバーのラベルは常時表示。アイコンの意味を推測させません
- 荷物で片手がふさがっている通学中でも、傘を差していても、操作が完結します
図2: 実際のホーム画面。主要5機能のボトムバー(枠内)は親指の可動域(点線)に収まり、 課題の通知は色ではなく「3」の数字バッジで伝えています
MULTILINGUAL
国籍や母語がちがっても、同じ使いやすさを。
筑波大学には世界中から学生が集まります。つくぷらは日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語の 4言語に対応し、「一部だけ翻訳」ではなく、アプリ内の全829文言を4言語すべてで揃えています。
最初の画面から、自分の言語で。
言語の壁は最初の画面がいちばん高い。だから言語選択を入口に置きました。
- 初回起動でまず表示されるのが言語選択。日本語が読めなくても、迷わず使い始められます
- ログイン前の画面にも地球儀ボタンを常設。アカウントを作る前から言語を切り替えられます
- 切り替えは再起動不要で即反映。「システム設定に合わせる」を選べば端末のOS言語に自動追従します
- 日付ピッカーなどOSの標準部品も、選んだ言語で表示されます
図3: 言語切替はログイン前でも、設定からでも。選択は保存され次回起動にも引き継がれます
「翻訳漏れゼロ」を、仕組みで維持。
多言語対応は始めるより続けるほうが難しい。つくぷらは翻訳を後追いさせない開発体制です。
- アプリ内の文言は829件。日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語のすべてで同数を維持し、翻訳漏れがない完全パリティです
- 件数や日時を埋め込む動的な文(86件)も、言語ごとの語順で自然に表示されます
- 文言の置き換えだけでなくロジックも言語対応。たとえば施設までの距離は「徒歩約n分」と「approx. n min walk」を言語に応じて出し分けます(約90箇所)
- 日本語・中国語・ハングルのグリフはOS標準フォントで描画。文字化けや「豆腐文字」が起きません
- バス時刻表・キャンパスマップ・大学からのお知らせなど、留学生の生活動線に関わる機能もすべて翻訳対象です
図4: 「日本語版だけ機能が多い」を作らないための、全言語同数ルール
ACCESSIBILITY
見え方・感じ方の違いに、設計で応える。
視力、色の見え方、まぶしさへの敏感さ、アニメーションとの相性。 「見え方・感じ方」は人それぞれです。つくぷらはOSのアクセシビリティ設定に追従し、 色や動きに頼らない情報設計を選んでいます。
文字サイズはOS設定に追従
iOS・Androidの文字サイズ設定をそのまま反映。レイアウトの高さも文字スケールから動的に計算し、大きな文字でも画面が崩れません。
「動きを減らす」を尊重
OSの「視差効果を減らす」設定を検出すると、入場アニメーションや数値のカウント演出を省略して即時表示に切り替えます。
本物のダークモード
ライト・ダーク・システム追従の3モード。ダークはiOS標準のコントラスト基準を目安に面の段差を調整し、アクセント色も明度を上げて可読性を確保しています。
色だけで伝えない
通知は色ではなく数字バッジ、ナビのラベルは常時表示、見出しの階層は色ではなく文字の太さで表現。色の見え方に左右されない情報設計です。
アイコンには言葉を添える
アイコンだけのボタンにはテキストラベル(ツールチップ)を付与する部品を標準化。記号の意味を推測させません。
ぼかし表現は選べる
すりガラス(ブラー)表現は好みや見やすさが分かれるため、既定オフのオプトイン。透過表現が苦手な人には最初から適用されません。
INCLUSION
立場や環境がちがっても、同じスタートラインを。
経済状況、性自認、使っている端末、電波環境、ノートの取り方。 学生生活の条件は一人ひとり違います。つくぷらは「使える人を選ぶ仕様」を1つずつ取り除いています。
誰にも、何も要求しない。
- 性別を聞きません。アカウント登録で入力するのはニックネーム・メールアドレス・パスワードだけ。本名も性別も要求しない設計です
- アカウントすら必須にしません。ゲストモードで時間割・バス・マップなどの主要機能がそのまま使えます
- 完全無料・広告なし。広告SDKも課金SDKもアプリに一切含まれていません。経済状況に関係なく、全員が同じ機能を使えます
- 最新端末を要求しません。Android 7.0(2016年発売の端末)以降・iOS 16.1以降に対応。買い替えを前提にしません
電波がなくても、静かな教室でも。
- オフラインでも使えます。バスは26停留所ぶんの時刻表を内蔵、時間割・ノートは端末内保存、キャンパスマップは83施設のデータをアプリに同梱。学内の電波が弱い場所でも止まりません
- ノートの取り方は人それぞれ。手書き派にはメモ、書き写しが苦手な人にはシャッター音のないサイレントカメラでの板書撮影、聞き直したい人には講義録音。自分に合う記録手段を選べます
- 録音は途切れさせません。画面を消しても他アプリに移っても録音は継続。電話などの割り込み後も自動で再開を試みます
- 通学手段の多様性も支えます。循環バスの時刻表・接近情報に加え、遅延情報を学生同士で共有できます
SUSTAINABILITY
地球にも、大学のインフラにも、やさしく。
通信を1回減らすことは、どこかのサーバーの電力消費を減らすこと。 つくぷらは環境負荷を「通信量・電力・紙・買い替え」の4方向から減らす設計です。 サーバーにやさしい設計と同じ思想を、環境の視点から説明します。
通信は「しない」が基本、「する」なら最小限。
データ取得は3段構え。まず端末内、次にキャッシュ、最後にようやくネットワークです。
- キャンパスマップの施設データや基本のバス時刻表はアプリに同梱。通信ゼロで動きます
- バスの最新時刻表は静的ファイル1つを取得して1時間キャッシュ。大学お知らせは60秒キャッシュで、画面を行き来しても再取得しません
- シラバスのデータや広報誌のPDFは、一度取得したら端末に保存して再利用。同じものを何度もダウンロードしません
- manaba課題の自動同期は60分間隔・実行25秒の上限つき。夜通しポーリングするような設計を排除しています
図5: 環境負荷の削減はキャッシュ設計から。詳しい実装値は「サーバーにやさしい設計」へ
電池を無駄にしない=発電を無駄にしない。
バッテリー配慮は快適さのためだけでなく、充電回数を減らす省エネ設計でもあります。
- 位置情報の常時追跡はしません。自動出欠の判定は該当する授業があるときだけ1回取得。バスの最寄り停留所判定は中精度・8秒制限で、まずOSに残っている直近の位置を使います
- アプリが背面に回ると前面の定期処理は停止し、OS管理の省電力な周期タスクに引き継ぎます
- ホーム画面ウィジェットやロック画面の「次の授業」表示は端末内のデータだけで動き、表示自体は通信しません
- HTML解析・画像変換などの重い処理は端末内で完結。クラウド処理に丸投げして、データセンターの負荷と電力を増やすことをしません
紙も、電子ごみも、減らす。
「印刷しなくていい」「買い替えなくていい」は、学生の財布にも環境にも効きます。
- 板書・配布資料はサイレントカメラで撮影、講義は録音、メモはアプリ内。紙のコピーやプリントアウトを置き換えます
- 試験情報やノートが必要なときだけPDFに書き出す方式。「とりあえず全部印刷」をなくします
- 新入生向け冊子「かすがらいふ」は4年度ぶんをアプリ内で閲覧可能。紙の冊子を持ち歩かなくてもすみます
- 2016年発売の端末でも動作します。まだ使える端末を電子ごみにしないことも、環境配慮の一部だと考えています